正教会の祈祷は、12世紀までにはほぼ確立した式次第に則って行われています。基本的な式次第と曜日や特別な日に変わる部分を組み合わせる方式です。 祈祷は「奉事経」「時課経」「八調経」「月課経」「五旬経」「三歌経」といった複数の祈祷書を参照して行います。ここに置いている式次第は特に初めて祈祷に出た方でも何が行われているのか判るようにすることを目的に、それらが既に組み合わされたものとして作成しています。歌う部分は五線譜付きのものとし、司祭黙誦文も入れていますので、基本的には、司祷者、誦経者、聖歌者、参祷者全員が同じものを見て祈祷することができるようになっています。 正教会の祈祷規則に則ったものですが、釧路管轄内用に若干アレンジしている部分もあります。また、適宜改定することがあります。 歌う部分のメロディづけについては、一般的に日本で歌われているのと異なるものも多いので、祈祷での使用に関しては必ず司祷者とご相談の上でご利用ください。 聖歌の歌詞が違うという指摘をいただくことがあります。より新しい翻訳に従うようにしています。例えば、「単音聖歌譜聖体礼儀(昭和56年 日本ハリストス正教会教団)」9ページにあるトロパリ1調は「時課経(明治17年)」にある「救世主ヤイウデヤノ人墓ヲ封ジテ兵卒爾ノ潔キ躯ヲ守る時爾ハ三日目ニ復活シテ世界ニ生命ヲ賜ヘリ故ニ天軍ハ爾生命ヲ施スノ主ニ呼ンデ曰フハリストスヤ光榮ハ爾ノ復活ニ歸シ光榮ハ爾ノ國ニ歸ス獨人ヲ慈ムノ主ヤ光榮ハ爾ノ慮ニ歸ス」に拠っています。このウェブサイトでは八調経(明治42年)の「救世主ヨ、イウデヤノ人墓ヲ封ジテ、兵卒爾ノ潔キ躯ヲ守る時、爾ハ三日目ニ復活シテ、世界ニ生命ヲ賜ヘリ。故ニ天軍ハ爾生命ヲ施スノ主ニ呼ベリ、ハリストスヨ、光榮ハ爾ノ復活ニ歸シ、光榮ハ爾ノ國ニ歸ス、獨人ヲ慈ム主ヨ、光榮ハ爾ノ慮ニ歸ス。」に拠っています。
式次第は「ワード2010」で作成し、五線譜部分は楽譜作成ソフト「フィナーレアレグロ」で作ったtiffファイルを貼りつけました。ここで公開しているのはPDF化したものです。元のファイル(ワード+tiff画像)が欲しい方はメール等でお申し込みください(ただし、正教会信徒に限らせていただきます)。 正教会の祈祷についてもっと知りたい方は、LITURGIA-正教会聖歌 実践と研究-(外部リンク) というWEBSITEが日本語では一番資料豊富で詳しく、深くかつ分かりやすいと思いますのでご参照ください。釧路管轄司祭もここで勉強させてもらっています。
この式次第の体裁について
基本的に現代仮名遣いを用いています。ただし、例えば「遣い」は「つかい」でしかありえませんので「仮名遣い」は「かなづかい」というように、理屈に合わない「じ」「ず」の使用は排しています。「地震」は「ぢしん」です。聖歌の歌詞が違うという指摘について
式次第の配布について
正教会の祈祷についてもっと知りたい方は、、、
E-mail:kushiro@orthodoxjp.com
管轄司祭 ステファン内田圭一